子どもの心に火をつける簡単だけど強力な3つのノウハウを。
対話を通した学び合いの神髄がわかる1冊。
自分が大事だなと思ったことを紹介します。
課題作りの基礎基本
子どもがわからないもの
子どもは、自分が何が分からないのか分からない。教師もなぜ子どもが分からないのか分からない。そんなことありませんでしたか。教師になる人は、子どもの頃から真面目で割と優秀だった人が多く、先生の話を聞けばある程度のことは理解できたはずです。だけど、聞いても理解できない子が一定数はいます。そこの子たちがなぜ分からないのか理解できなかったことありませんか。「なんでこんなもんも分からんの?」と心の中で毒付いたことが。
分からない正体、それは「言葉」です。日常会話で使わないような言葉が、授業ではシャワーのように浴びせられます。気がかりな子ほど、読書量が少なく、言葉を知りません。ゆえに、分からない言葉が分からないまま通り過ぎていきます。理解できないため退屈でましてや集中などできません。そして、どんどん分からなくなっていくのです。
言葉の意味をしっかりとおさえてあげる必要があります。わざわざ教師が説明する必要はありません。周りの分かっている子に説明させればよいのです。
他の子どもを教えるということ
教師の興味ある分野だけを特化して教えていいものでしょうか。「やはり音楽の魅力は合唱だ!」と思うことはダメなことではありません。だからといって、音楽の授業全て合唱に充てることはダメなことです。教師が教師である所以は、公務員法や教育公務員特例法などの法に基礎があり、法に基づくプロセスによって決まった学習指導要領に基づいて教えるからです。なんでもかんでも好きなことを教えるのは、ただの「物知りおじさん」にすぎません。
目標と評価の一致
教育には目標があり、それを達成するために授業があり、それを達成できたかどうかを確認するために評価があります。それがなければ、ただの遊びになってしまいます。活動あって学びなしです。
そこで、授業前に目標と評価を一致させておくことが必要になります。どうするかというと、要は、テストを先に作ってしまうわけです。評価問題を先に作ることで、自分が何を目標として授業をするかを意識できます。
課題はシンプルに明確に
- 時間を大切にする。→子どもの学びの時間を確保する。ゆえにプリントを使用する。
- 全体像を明らかにする。→見通しが持てないと集中力が続かない。
- 2割の子どもが分かればよい。→子どもの悩みは子どもの方が分かる。
- 子ども同士がチェックする。→納得してもらったらサインをもらう。3人が適当。
- 指導要領を読む。→芯が何かを知るため。そろばんなどは1時間かけなくてもよい。
学ぶ必然性を生み出す
作文・合唱→対象と目的を明確にする。誰に読ませるのか、意味があると思える目的に。
学級作りは教科の時間
その日のトラブルはその日のうちに。学活などで対応しようと思ったら、時間が空きすぎる。教科なら毎日ある。そこで解決していく。
学び合いとは
- 子どもたちが教えたり、教えてもらったりする時間を設ける。
- その最初に、その日の授業の課題を全員解決することを求める。
- 授業の最後に、全員が解決できたかを評価する。もし解決できなかったら、どのようにしたら解決できるかを考えることを求める。
学び合いは、「多様な人と折り合いをつけ、自らの課題を解決する」能力を獲得する場。
教師が全ての問題を解決することはできないし、できたとしても子どものためではない。教師の力を示せるかもしれないが、子どもたちは教師を頼り、自分たちで解決することをしない。解決しようとしなければ考えることもない。教師はいつまでも子どもたちに寄り添っていられない。ヒーローのように参上するわけでもない。だからこそ、1人1人に考える力を身につけさせ、生き抜く力を備えてやらなければならい。この本を読んで、学び合いもそうだが、教師としての在り方をも学んだ。
みなさんも実践してみては如何だろうか。
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