教師と保護者の恋愛小説「わかっているけど」(20)

小説

S市のアパートに引っ越してから、長谷川さんと会う機会が増えた。

それもそのはず。今までは外でしか会えなかったのが、家で会うことができるのだから。

まず変わったことといえば、通勤だ。

僕の家から学校まで行く途中に長谷川さん家がある。それも、少しの回り道もする必要のない道沿いにある。

だから引っ越してからは、もうすぐ通るというときにLINEを入れる。すると、ベランダから顔を出して手を振るのだ。

なんか、いい年こいた2人が滑稽な感じはするが、まぁどの年齢においても恋の駆け出しなんて似たようなものだろう。10代でも60代でも。

もう一つ変わったことは、泊まりが増えたことだ。

飲み会の後や、週末など泊まることが多くなった。ただ、一人暮らしなら泊まることはなんでもないのだが、実家に暮らしていると、親の目がある分いつでもというわけにはいかなかった。ご飯を作ってもらっているため、ご飯の有無を連絡するのに少し気後れする。そうなるとご飯時にも顔を合わせずらい。30代の男が何をと思うかもしれないが、大学生の時とはやはり違うものがあると思う。

しかしながら、泊まる時は楽しかった。某有名焼き鳥チェーン店の焼き鳥を頼み、ビールを飲みながらテレビを見る。話し相手がいるのは、楽しい。

丁度その頃だろう、長谷川さんがやよいちゃんに告白したのは。

だから、やよいちゃん的には担任が家に遊びに来ては変な感じというか、嫌だったかもしれないが、まだ小4の子には分からなかったかもしれない。

ママの彼氏的存在が担任の先生。

世の中広しといえど、そうはない境遇に子供は何を思うのだろうか。

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