教師と保護者の恋愛小説「わかっているけど」(47)

小説

長谷川さんは割とスピリチュアルなところがあり、パワースポットに行きたがる。

前は三重にある安産の神様がいると言われる石○神社に行った。かなり遠かった。一泊してもいいようなところだが、日帰りで行ってきた。もう行きたくない。

その後、テレビで見たらしく琵琶湖に浮かぶ竹生島に行きたいと言い出した。

滋賀ならまだ近いからいいかと思い、長谷川さんと2人で行ってきた。

長浜港に着き、車を停めて船乗り場に向かう。料金を見ると長浜港〜竹生島の往復大人3130円。

いい値をとるもんだ。

まぁ他に手段もないので、2人で約6000円ほどを払った。

すでに船着場には列になるほど人が並んでいる。知らなかっただけで割と有名なようだ。

ちょうどいいタイミングだったようで、そんなに待たずに乗船することができた。

船の中は割と広かったが、席を探して座らないといけないほどには混んでいた。

長浜港から竹生島までは約30分。

琵琶湖なのでそんなに波が高いわけではない。

程よいクルージングだと思っていた。

が、隣を見ると顔を青くした人がいる。長谷川さんだ。

そういえば、USJの乗り物にも乗れないほどの人だった。どうも船もダメらしい。

こういう弱点を見るとつい楽しくなってしまう。

コーラを買ってあげ、背中をさすさすして何とか吐かずに下船できた。

さて竹生島到着。

竹生島は日本三弁財天の1つである大弁財天を祀る宝厳寺があり、願い事をだるまに入れる「幸せ願いダルマ」が有名らしい。

また、そこまでの165段の階段を登るところにも魅力があるようだ。

両脇に小店が並んだ通りを過ぎると、いよいよ階段だ。

広くない階段を登っていくと、赤い門がまえをした宝厳寺が現れた。

色、大きさ共にちょっと思っていたのと違った。

まぁいいとして、来たからには幸せ願いダルマを奉納したい。

ほう。1000円かかるらしい。

まぁいいとして、願い事を書いて奉納した。

他にも神社やら国宝やら見所があるのだが、ひと通り回ってみたがそれほどグッとくるものではなかった。

滞在目安時間が75分となっていたが30分もしないぐらいで降りてきた。

早く降りてきすぎて、帰りの便まで時間があまっていたためお茶屋さん的なところに入って涼んでいた。

やはり離島だからか、何でもそれなりの料金がするのだと感じながら口にした。

帰り便も同じように長谷川さんは気持ち悪そうにしていた。

なんとか持ちこたえて長浜港に着いた。

下船した長谷川さんが隣接するホテルを見て一言、

「ここのホテルでランチしてる方がよっぽどマシやったわ。」

笑うw

「ほやな、お金を払ってわざわざ酔いに行ったようなもんやなw」

こうして、竹生島は僕達の観光名所ワーストランキング入りすることになったのだった。

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