教師と保護者の恋愛小説「わかっているけど」(50)

小説

身を置く環境について

長谷川さんは自分の学歴にコンプレックスがある。

というのも、地方なので小学校中学校と公立に進むのが当たり前で、高校も通いやすい地元の高校に通っていた。

特進クラスだったのだが、それが1つも面白くなかったようなのだ。

しかも特進というが、普通科と特進クラスは校舎が別れており、交流は体育大会の行事ぐらいしかない。

しかも普通科は県内でも底辺クラスで浜のモンが多くいる荒れている学校だった。

体育大会では3年生になっても陽キャに指示されて、隅の方でうちわを振っているだけで全然面白くなかったようだ。

今の長谷川さんからは想像できない姿だ。

余談ではあるが、当時は割と肉付きがよく巨乳だったらしい。

そのままでいてくれたらよかったのに・・・w

戻ろう。

勉強漬け、体育大会はやらされるだけ、修学旅行はスキー合宿となんの面白味もなかった高校生活が嫌で、娘のやよいちゃんにはそんな思いはさせたくなかったようだ。

中高一貫になっている私立を狙っていた。

僕は公立で十分だと思っていたが、長谷川さんの思いは強かった。

教育費は全然違うが、それだけの価値はあると踏んだのだろう。

みなさんはどちらに進学するだろうか。

公立中学校私立中学校
入学時の費用ほぼ0円20万
学校集金(月)1万円以下5〜6万円
登校・下校自転車
往復20分
0円
電車と徒歩
往復1時間半
定期券11万
昼食給食弁当
学校規模(学年)10クラス2クラス
行事・イベント少ない多い
修学旅行東京ニュージーランド
校舎古い綺麗
環境田んぼ駅前・デパート

教育の質までは分からないが、iPadを用いての授業や課題が出されているようだ。

小学校の秋10月に試験があり、難なく合格した。

同じ小学校の子とは離れるが、3年生の時にも転校をしてきているため、そこまで友達の執着する子ではない。

そこらへんは母親の長谷川さん譲りなのかもしれない。

余談ではあるが、長谷川さんのラインには友達からのラインは見たことなく、広告ラインしかこないw

スタンプ欲しさに無料友達追加スタンプばかり使っているからだ。

戻ろう。

私立中学校に入ってからは、弁当作りに4時半起きだの、送迎が大変だの、眠すぎて朝礼で寝ているだの大変そうだが、入れてよかったと満足そうだ。

環境によって人は変わる。子どもなら尚更。

こういう仕事をしていると切に思う。というか実験すれば確実に有意差がでる。

「家庭環境によって子どもの質は異なる」

雑な言い方をすれば、親がおぞいと子どももおぞい。

かたや、シングルマザーでも環境が整っていれば、学校で子どもは落ち着いている。

大人になると心や考え方が成熟し、生き方や環境を自分で選んで変えられるが、子供のうちは未熟であるため環境を整えてやる必要があるのかもしれない。

そういう意味では、学校においては、教員はより良い環境づくりを、保護者はより良い環境選びをする必要があるのではないだろうか。

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