教師と保護者の恋愛小説「わかっているけど」(55)

長谷川さん 犬を飼う(2)

名前はミミ。

ペットショップに引き取りに行った時から、モップみたいな体を上下させてはしゃいでいた。

抱っこされても膝の上で動き回るおてんばぶり。

誰にでも駆け寄って抱っこをせがむ人懐っこいワンコ。

The cutest dog.

「お前は可愛い子やなぁ」と帰りの車中はミミにメロメロな長谷川さんだった。

家に着くやいなや

「何してるんや!バカタレ!」

部屋で粗相をしたミミに速攻罵声を浴びせる長谷川さん。

「パパんとこ行ってしつけてもらってきなさい!!」

何もわからない子犬に吠えて目を苛つかせている。

ウケるw

この世には2種類の人間がいる。

ゲームをしながら説明書を読むか。

説明書を読んでからゲームをするか。

長谷川さんは完全に前者。

走りながら武器を拾って戦うタイプだ。

一方僕は、武器を揃えてから動き出すタイプだ。

僕は走りながら武器を拾って戦うタイプが羨ましいと思っていた。

今も思っている。

しかし、こういう場面に遭遇すると、自分タイプも悪くないなと思える。

子犬が粗相をしたときは、何も言わずにサッと始末をするのが正解だと言われている。

粗相をしたことを騒ぎ立てると、犬は反応してくれたと勘違いして粗相を繰り返すらしい。

そのことを僕はペロを迎える前に、YouTubeや書籍で心得ていた。

なのに、知らずに鬼の形相でギャンギャン怒って逆効果なことをしている長谷川さんが滑稽で面白かったのだ。

もちろん、人間の言葉なんか分からないミミは元気に動き回っている。

ただでさえ忙しく綺麗好きな長谷川さんにとって、汚すことしかしないミミとのバトルはこれからも続きそうだ。

それにしても・・・

わがままでどもならん女ばかり(長谷川さん、娘やよい、ペロ、ミミ)に囲まれた僕の先が思いやられる。

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