こんにちは、正楽です。社会人になり教育界に携わること約10年。昭和に生まれ、平成に社会人になり、今や令和になりました。今、大学生・高校生の皆さんに、または、教職を考えている方へ、教師という職業についての一端をお教えします。その上で行く道を考えてみてください。
教師のメリット
人に貢献できる
いわゆる「やりがい」というやつです。教師という職業は、いい意味でも悪い意味でも人に影響を与えうる立場です。熱意を持って接することで、児童生徒学生がより良く人格を形成し、豊かな人生を歩めるきっかけを作ることができます。英語を熱心に教えることで、生徒が英語が好きになり、将来英語を使って自己実現を果たす。「先生のおかげで、夢だった〇〇な仕事に就き、毎日充実しています。」数十年後に結果としてこんな風に言われたら、こんな教師冥利に尽きることはありません。「教師をやってて良かった」と思うでしょう。1年に25人のクラスを担任するとして、30年働くと750人の人生に関わるのです。実際には、他クラス、他学年の子供とも関わるので、総数はもっと多くなります。出会った人数だけ言われるわけではないですが、多ければ多い方ほど、誰かの胸に刺さる可能性が高まります。
アドラーがいうように、「幸せとは、誰かの役に立つこと」です。子供の「わかった!」、卒業式での「ありがとうございました。」など、教師は自己の有用感が分かりやすい形で感じることができます。
こんな話を聞きました。市役所に勤める友人が、「教師はいいよな。直接感謝されて。俺らはガードレールつけても、道路をよくしても誰にも感謝されたことないで。」と言っていました。同じ公務といっても表と裏で違いますね。
給料が安定している
公務員と言ったら、安定した職業の代名詞です。食いっぱぐれることがないため、ローンも通りやすいようです。さらに、教師は、公務員でも市役所勤めの公務員とは給料が違います。教師の給与には4%の残業代が元々乗っかっています。そのため、一般公務員よりも給料が高く設定されています。もっと言うと、小中学校の公立学校勤務の教師と、高校のような県立学校勤務の教師とでも給与体系は違います。県立勤めの方が多くもらえます。
給食がある
教師のメリットとして給食が食べられます。これは、大きなメリットです。理由は3つあります。まず、昼食代として安い。教師も児童生徒と同じように給食費を払っています。しかし、月に4000円ほどです。コンビニに買いに行ったり、食べに行ったりすると1000円弱はかかりますよね。それでは、4日しか持ちません。4000円で1ヶ月(約20日)食べられるのはありがたいことです。
次に、1人暮らしにも母にも優しいです。お弁当箱を作らなくていいのです。節約で自炊すると言っても、お弁当を作る手間がかかります。子供がいるご家庭では、自分の分を作らなくていいだけでも助かります。
最後に栄養価です。給食は、栄養教諭が考えたバランスの良い食事になっています。そのため、カップラーメンやコンビニ弁当を食べるより遥かに体にいいです。毎日食べるものですから、食には気をつけたいところです。
夏休み冬休みがある
これは大きく民間企業と異なるところです。もちろん、夏休み冬休みといえど勤務日ではありますが、余裕が全然違います。子供がいませんから、気持ちが楽です。自分のために使える時間が増えるため、スキルアップや趣味に勤しめます。
教師のデメリット
多忙
日本の教師は世界的に見ても多忙です。数年前から働き方改革で幾分緩和されてきてはいるものの、まだまだ多忙です。
8時から16時30分が勤務時間ですが、実際はもっと長い時間働いています。児童が登校する前に学校に着くとなると7時30分には着いていることになりまし、帰りは人によりますが、19時ぐらいが平均的です。すると約12時間ほど学校にいることになります。これに通勤の時間が加わると朝から晩まで仕事漬けです。アフター5なぞありません。
また部活があれば休日も出勤です。微々たる手当てで責任重大です。大会があれば役員として審判や運営に関わり、土日がなくなることもザラです。
安定している?
メリットにも書きましたが、安定と読めばメリットになり得るかもしれませんが、「安く定まる」とも読めます。「先生はよーけもらってる。」とご年配の方は言いますが、昔の人は大学を出る人もそこまで多くなく、学というよりも地元の産業を支える人が多くいました。だからこそ、人様を教育できるほど学を詰んだまさに「聖職者」というイメージが強いのです。
さて、実際の給料ですが、総支給額は年齢ぐらいと思ってもらえればいいと思います。そこから、所得税、住民税、共済年金、学校負担分(PTA会費、給食費など)を引いた手取りは、年齢ー10万です。35歳だったら、手取り25万と思っていいでしょう。これに加え、6月12月にはボーナスが加わります。それぞれ約60万ほどでしょうか。つまり、1年の年収は、25万×12ヶ月+120万=420万ほどです。
どう思いますか。最近インフルエンサーに触発されているせいか、寂しいように思います。でも実態なので、これをどう捉えるかはあなた次第です。
副業禁止
公務員は、法律上副業が禁止されています。投資や僧侶、農業などはいいのですが、個人事業主や役員になることはできません。働き方改革が進んだとして、時間が余っても薄給では何をすればいいのでしょう。仕事に関わるスキルアップでしょうか。教養を身につける読書でしょうか。残念ながら、はっきり言って、スキルアップしたところで給料変わりません。校長が評価し給料のベースが決まりますが、何十万も変わるものではありません。それなら、スキルアップしたことを他で活かせるといいですよね。ですが、副業が禁止なのでそうもいかないのが辛いところです。
潰しがきかない
教師になる人は、小中高大→学校と学校界の中にしか身を置いたことがありません。他に置いたとしても大学生時のアルバイトぐらいでしょう。そのため、転職しようと思った時に教師では潰しがききません。営業スキルもなければ、ITスキルもない、マーケティングも知らない、マネタイズも知らない、デザインができるわけでも、電気工事ができるわけでもありません。正直教育界でしか生きていけないのです。出ても塾や予備校でしょうか。それほど、他のスキルが乏しく、転職に有利なセールスポイントがないのです。
クレーマー
どこの企業でも人との関わりは避けられないものです。客の中にも迷惑な客はいるでしょう。例外なく教師になったら付き合わなければならない人がいます。それは、保護者です。もちろん素晴らしい保護者もたくさんいます。年下なのに敬意を払って下さる保護者の方もいらっしゃいます。ですが、それが霞むぐらい強烈な保護者もいます。それに時間を取られることが多々あります。いっときの客ではなく、担任をしたら1年付き合わなければなりませんから、災難以外の何ものでもありません。子供を見ているつもりでも背後に保護者の影がちらつきます。
最後に
ここまでメリットとデメリットを書き連ねて見ました。
何かしら心に引っかかりを作ることできたでしょうか。
公務員に就いてからでは、止めたいと思っていても周りの反対を押し切るのが大変だと思います。
そのため、今のうちからよく考えて職業を選択してください。
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